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毎 周 電 視 中国語圏の映画・芸能に関する連載コラム/毎週火曜日更新

【36】禁令

 中国大陸の映画検閲は厳しく、文化表現としては小説や舞台よりも制限が強い。映像が多地域に訴えることとその影響力が重視されているのだろう。大陸で映画撮影するには脚本の段階から何度も審査に送らなければならないので、若い監督のなかには、例えテーマや大筋の内容は問題がなかったとしても時間的な拘束や細かい修正を嫌って最初から審査に送らず無許可撮影してしまい、結果として上映禁止が続いているというパターンも多い。

 最近話題の上映禁止作品といえば、チャウ・シンチー(周星馳)監督・主演「少林サッカー」(少林足球)。題材、出演者とも大陸市場を狙って製作された映画ながら結局大陸で上映許可は下りていない。電影局制片処のジョウ・ジエンドン(周建東)の話によると、電影局が「少林サッカー」を審査に通さない直接の原因は、同映画の内容が中国足球甲級A組(中国プロリーグ1部)にまで渡ってサッカーをちゃかしているものだから。

 電影局は4月25日、「藍宇」、「ドリアン ドリアン」(榴[木連]飄飄)、「シュウシュウの季節」(天浴)、「レッドコーナー」(紅色角落)の4本の映画に関わる宣伝活動の禁止を公布した。違反作品がほかに山のようにあるなかで、今さらな過去作品も混じっているこの4本が選ばれた理由は、これらは国際的に派手な話題を呼んだ映画であるから。映画祭や他地域での上映に当たっては、大陸での未許可撮影は売りになるのも苦々しいに違いない。「シュウシュウの季節」の監督ジョアン・チェン(陳冲)、「レッドコーナー」の主演女優バイ・リン(白靈)はこの禁止令で大陸での事業が難しくなったし、「ドリアン ドリアン」のフルーツ・チャン(陳果)監督は、次回作も大陸で(当然未許可で)撮るつもりだったのに動きにくくなったと困っている・・

 未許可作品の出品でいつも話題になるカンヌ国際映画祭、5月15日から25日まで開催される今年は、ジア・ジャンクー(賈樟柯)監督「任逍遙」 がコンペティション部門に選出された。製作国はフランス、日本、韓国。ジア・ジャンクーの前2作と同様に、未許可で山西省ロケされている。

 ガオ・シアオソン(高曉松)監督、ジョウ・シュン(周迅)、シア・ユイ(夏雨)、プー・シュー(朴樹)主演の都市恋愛映画「那時花開」は、前衛的すぎて意味不明と検閲に判断されて3年間修正が続き、このたびようやく上映許可が出た。

 ベテラン監督のチェン・カイゴー(陳凱歌)はというと、「黄色い大地」(黄土地)から「人生は琴の弦のように」(辺走辺唱)までは思想性が高かったがその後大衆化・迷走化してハリウッド映画「キリング・ミー・ソフトリー」へ到達し、そして新作の中国映画「和[イ尓]在一起」はまた作風が変わったのかすでに国内では評価が高く、しかもめったにないことに全く修正なしで速やかに検閲に通ったという。果たしてどのような映画なのか、老練の技術に注目したい。

(緑茶)


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