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【35】リー・シャオホンとその周囲

 中国大陸では数年前から、テレビドラマの産業化と共に、娯楽性豊かなドラマや映画を製作する民営のプロダクションが勃興した。大手どころは、フォン・シアオガン(馮小剛)、チェン・バオグオ(陳宝国)などが所属する華誼兄弟太合影視、近作は「梦断紫禁城」、「大腕」、「天地英雄」。リー・シャオホン(李少紅)とリー・シアオワン(李曉婉)が率いる栄信達影視、近作は「人間四月天」、「橘子紅了」、「大明宮詩」、「小城之春」、「恋愛中的宝貝儿」。ジャン・グオリー(張国立)を擁するドン・ジエングオ([登β]建国)の広東巨星影業は、「康熙微服私訪記」、「我這一輩子」、「母親快楽」などの作品がある。

 当コラム【30】でチオン・ヤオ(瓊瑤)ドラマの女優たちをご紹介したが、女性監督リー・シャオホンもこのように自分のプロダクションである栄信達影視を持っているので使う俳優がだいたい決まっている。「大明宮詩」、「橘子紅了」、「恋愛中的宝貝儿」など近作全てに出演しているのはジョウ・シュン(周迅)、バイ・シュエ(白雪)。「雷雨」、「大明宮詩」、「橘子紅了」とリー・シャオホンのテレビドラマ監督作全てに出演しているゴイ・ヤーレイ(歸亞蕾)、「橘子紅了」、「恋愛中的宝貝儿」のシェン・チャン(沈暢)、など。チオン・ヤオ組とはまた対照的に、個性が強くて一筋縄ではいかない面々だ。

 男優でリー・シャオホンが最近よく使っているのはウー・ジュン(呉軍)。「人間四月天」、「大明宮詩」、「恋愛中的宝貝儿」、ティエン・ジョアンジョアン(田壮壮)監督「小城之春」に出演している。「雷雨」、「大明宮詩」では台湾のウィンストン・チャオ(趙文[王宣])を続けて使った。ウィンストン・チャオはインタビューで「監督の演技指導に厳しく縛られて、自発的な演技が全くできなかった」と不満を言っているが、確かに彼は元来そう弾けた演技をする人ではないがリー・シャオホン作品ではさらに抑制されている。リー・シャオホンに人形のように扱われていたのだろか。

 現在撮影中のリー・シャオホン監督「恋愛中的宝貝儿」の主演男優は、これが本格デビュー作ということでさぞかし演技指導しがいのありそうな、ホアン・ジュエ(黄覚)。1992年に広西芸術学院舞踏系を卒業後、ダンサー、モデル、バー経営などしたあげく2000年には北京電影学院で撮影を学んでいる。

 リー・シャオホンは、14歳で家出して軍隊に入り男性兵に混じって野営訓練を繰り返し、1978年に北京電影学院監督科に入学したという激しい経歴の持ち主。電影学院撮影科にいたツォン・ニエンピン(曾念平)と結婚し、監督2作めの「血祭りの朝」(血色清晨)からずっと、ツォン・ニエンピンにカメラを任せて作品作りを続けている。リー・シャオホンの監督作は男性的と言われたりフェミニズムと言われたりするが、女性を惜しむ男性みたいだと私は思う。

(緑茶)


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