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【32】母子映画

 監督ドン・ジエングオ([登β]建国)、出演ロレッタ・リー(李麗珍)(レイチェル・リー)、チェン・ロン(陳龍)の中国映画「母親快楽」が広州で撮影されている。ボーイフレンドに捨てられひとりで息子を育てる母親を演じるロレッタ・リーは、自身がクラレンス・ホイ(許願)と離婚して今は5歳の女の子の母である。もともと敏腕プロデューサーであるドン・ジエングオの監督作だけあって話題性十分。ロレッタ・リーは香港女優だが、中国大陸の映画やテレビドラマはこのように海外マーケットを考慮して香港俳優を使うことがよくあり、エリック・ツァン(曾志偉)やイップ・トン(葉童)、ケニー・ビー(鍾鎭濤)などがさりげなく大陸ものに出演している。

 「母親快楽」は、大陸で大ヒットを飛ばした台湾映画、ヤン・グイメイ(楊貴媚)主演「媽媽再愛我一次」(88)の姉妹編ともいわれている。この「媽媽再愛我一次」は恥も外聞もない泣かせ映画で、それほどな悪人はいないのに母親と息子が引き離されることになり、儒教的礼節から忍耐を強いられる母子がもう泣きっぱなしである。ちなみに私は中国版VCDで観たので、ラブシーンが途中でぶつっと切れたのが印象的である(大体、肩から上しか映っていなければOKらしい)。ヤン・グイメイは「媽媽〜」で狂気の老け演技など披露した(ホラー映画のようだった)ので、今でも大陸へ行くと「そんなに若かったの」という反応を受けるそうだ。

 「媽媽再愛我一次」で大陸における知名度を大幅に上げたヤン・グイメイは、今コロンビア映画「天地英雄」が公開を控えているハー・ピン(何平)監督の95年作、時代劇アクション「日光峡谷」のヒロインを務めたが、彼女はこの映画の撮影中に羊をさばくことを監督に強要され、失神しそうになりながらなんとかこなしたのにその最も苦労したシーンがカットされたことが非常なショックだったそうで、それ以来中国での出演はない・・

 母子もの中国映画には最近ではゴン・リー(鞏俐)主演「きれいなおかあさん」(漂亮媽媽)があるが、これも夫と離婚して息子を育てる母親の奮闘記。そうベタではないので大陸ではヒットしなかったが、いずれにしてもこうした映画は子供を持っている女性でなければ感情移入が難しいだろう。「母親」の周囲の成人男性は頼りなくなければならないし。監督など作り手側は、「母親」に自分の母親を、「息子」に自分をなぞらえているとおぼしい。

 「母親快楽」のロリッタ・リーのように夫なしの子持ちで働いている芸能人はクリスティ・チョン(鍾麗[糸是])、フェイ・ウォン(王菲)、リュイ・リーピン(呂麗萍)とかいるが、最近では1度結婚引退したグロリア・イップ(葉蘊儀)が2000年に離婚、のち芸能界復帰。現在28歳でふたりの子持ち。台湾ドラマ「愛情白皮書」、スタンリー・クワン(關錦鵬)製作ドラマ「雪地裡的星星」に出演中である。

(緑茶)


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