| 毎 周 電 視/中国語圏映画事情 |
|
|
|
ヴィッキー・ジャオ・ウエイ〈趙薇〉は、眼の大きすぎる派手な容姿と本人の性格が原因か、あからさまな媚を持たず、そしてドライな女優だ。ジャオ・ウエイの乾性はすごい。ウエット極まりないシエ・ジン〈謝晋〉監督作やチオン・ヤオ〈瓊瑤〉製作ドラマで泣き続けてさえ損なわれることがない。そうした彼女の特性が活かされた作品を数本あげましょう。 まず、香港映画史上ナンバー1ヒット映画となった『少林足球』(監督・主演:チャウ・シンチー〈周星馳〉、2001)では、ブスコンプレックスで媚どころかプライドもゼロという女の子の純真さを果敢に演じた。あれほどのブスメイクに覆われながら、『少林足球』の阿梅はまさにジャオ・ウエイの真骨頂であった。 大ブレイクのきっかけになった『還珠格格』(チオン・ヤオ製作・脚本、1997)で演じたシアオイエンズー〈小燕子〉、これって立派なロリータである。チオン・ヤオは活発で三枚目なキャラクターを作る目的でシアオイエンズーを造型したと思われるが、エスカレートしてオオカミ少女みたいにしてしまい、それを当時19〜20歳のジャオ・ウエイが全力で演じたのだから、ロリータ風味が出るのは当然である。ロリータというのは、まだ女の武器の使い方を知らない小娘の「無意識な」しぐさに見ている方が勝手にドキドキするという法則が王道。妙な媚があってはならないのである。 武侠ドラマ『侠女闖天關』でジャオ・ウエイは、高笑いも心地よい男装のルー・ジエンピン〈陸剣萍〉を演じている。武侠映画にはよく男装の美少女が出てくるが、どうしても男には見えない、男装演技をしているようにさえ見えないことが多く、それは彼女たちが習慣的に発散させている媚をそのまま持ちこんで演技しているからだと思われる(媚より上等な色気を持って男装したブリジット・リン〈林青霞〉は言うまでもなく最高。子供になっちゃうチンミー・ヤウ〈邱淑貞〉も良い)。男装が似合う、またはシアオイエンズーのようなロリータを演じられるというのは、下手な媚を持たない女優の特権である。『侠女闖天關』のルー・ジエンピンは中盤以降、恋をして少し女っぽくなってしまうのだが、それまでのジャオ・ウエイのカマトト演技といったら、地のはずはないのに実に上手くて可愛かった。 ゲイを題材にした心理サスペンス『東宮西宮(インペリアル・パレス)』(監督:ジャン・ユアン〈張元〉、出演:フー・ジュン〈胡軍〉、スー・ハン〈司汗〉、1996)では、「公共汽車(バス)」の悪名をつけられた少女を演じた。ここでは「バス」ゆえに(未見の方はご推測ください)すっかり投げやりなものごしでいながら、最後の誇りのようにいつも身につけている清潔な白いシャツが、まぶしくも悲しいのだった。 次回はそのジャオ・ウエイが、恨みがましいところは女らしいが闘争的な面は男らしいという、火のようなイーピン〈依萍〉を演じた『情深深雨濛濛』について。
(緑茶)
[BACK] [日中ドットコムTOP] [中華迷TOP] webmaster@nicchu.com |