毎 周 電 視/中国語圏映画事情

【4】『小城之春』リメイク

 ティエン・ジョアンジョアン〈田壮壮〉監督『小城之春』が、8月14日にクランクインした。ロケ地は、ジャン・イーモウ〈張藝謀〉監督『上海ルージュ〈揺[o阿]揺、揺到外婆橋〉』、リー・シャオホン〈李少紅〉監督『橘子紅了』(テレビドラマ)の撮影場所にほど近い、蘇州西南東山鎮・太湖のほとりにある小さな村。ティエン・ジョアンジョアンが自分で監督をするのは、『青い凧〈藍風筝〉』(1993年)以来になる。

 『小城之春』の特徴は、強力スタッフに映画界では新人といえる主演俳優たち、という組み合わせだ。製作はリー・シャオホン、脚本アーチョン〈阿城〉、撮影は台湾のリー・ピンビン〈李屏賓〉(『花様年華〈花様年華〉』)、衣装は『グリーン・デスティニー〈臥虎藏龍〉』でオスカー受賞者となった香港のティン・イップ〈葉錦添〉。主演はシン・バイチン〈辛柏青〉、フー・ジンファン〈胡靖[金凡]〉、ウー・ジュン〈呉軍〉。シン・バイチンは「北京舞台王子」だそうなだし、フー・ジンファンも主に舞台で活動してきた女優だが、ウー・ジュンは『人間四月天』、『乱世英雄呂布韋』などテレビドラマで顔を知られている。ウー・ジュンの役は最初リー・ヤーポン〈李亜鵬〉にオファーされた(ヤーポンはテレビドラマ『射[周鳥]英雄傳』と撮影期間が重なるので断った)ことを考えると、メインキャストのうちひとりはどうしてもお茶の間知名度のある俳優を使いたかったのかもしれない・・。

 アーチョンはロケハンから参加し、撮影現場にも常駐しているそうだ。著名作家アーチョンが脚本を書くときのモットーとは:「脚本は文学ではなく、人物関係。ストーリーを登場人物の相互関係で表現し、監督と俳優にクリエイティブな空間を与えるべきものだ」。もうひとり、映画界との結びつきが強い作家のワン・シュオ〈王朔〉は、フォン・シアオガン〈馮小剛〉監督『一声嘆息』の脚本を書いた後、「私の脚本の書き方は小説を縮めているだけだ。もう脚本は書かない」と言っていたとか。実行しているのだろうか。

 この『小城之春』はリメイク作で、オリジナルはフェイ・ムー〈費穆〉監督『小城之春』(1948)。フェイ・ムーの『小城之春』はジャン・イーモウが「中国映画のベスト1」と言ったこともある名作で、登場人物数人の複雑な心理状態を、美しく恐ろしくシンプルに描いてある。最初は普通の倦怠主婦に見えたヒロインが、かつての恋人を迎えて以来、どんどん妖艶さを増していくのが怖いのだ。

 小城之春』には抗日の側面がほんの少しあるが、思えば、昨年の大ヒットドラマ『大宅門』に、ティエン監督は日本兵士役でゲスト出演していた。ゲスト出演監督の中でも、ジャン・イーモウやチェン・カイゴー〈陳凱歌〉はダイコンさが目立っていたが、ティエン・ジョアンジョアンは底力のあるドスの効いた演技で主演のチェン・バオグオ〈陳宝国〉と堂々と向き合っていたのがえらい。(地かもしれないが)

(緑茶)


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