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緊急特集
上海−杭州間のリニア建設が決定!


竜陽路駅を出発する列車


現在、竜陽路駅の終点はこのように行き止まりになっている

 2006年3月13日、中国国務院は上海−杭州間のリニア(上海SMT)方式を正式に批准した。これにより、長江デルタ地帯に新たな都市圏が構成される可能性が高まった。 今回の上海−杭州のリニアプロジェクトは、実は2002年から叫ばれていた。その間いろいろな駆け引きがあったようだが、足掛け5年間の研究を経て実現に向けて動き出す。



■リニアプロジェクトの全貌
 計画では、上海−杭州までの175キロで、総投資額は350億人民元、上海から途中、嘉興と杭州東に駅が設置される。上海から嘉興までは約70キロ、嘉興から杭州東駅までは約105キロで、最高時速は450キロで設計されるものの、市街地では時速200キロ以下で走行する。完成するのは2008年の見込みで、2010年の上海万博に間に合わせたいとしている。路線は複線規格で工事される。
 杭州までの所要時間は約30分と見られており、現在鉄道で2時間かかっているところから比較すると経済効果は非常に大きい。運賃は片道150元前後と見られている。

 上海浦東国際空港から地下鉄竜陽路を結ぶドイツの技術を使ったリニアは正式には、Shanghai Maglev Transportationと呼ばれ、略してSMTとされている。日本のリニアとは方式は異なる。今回のプロジェクトに関しても、現行路線の延長なので、ドイツの技術が使われる可能性は高く、すでにドイツ政府交通部門も上海−杭州プロジェクトに協力する声明を発表している。

 このリニア線の上海市内でのルートは、現在の計画によると上海浦東国際空港から竜陽路を経由して、万博エリア、上海南駅、虹橋空港を結ぶ。上海南駅は、上海の南の玄関として鉄道・高速バス・地下鉄1号・3号が集約された巨大交通ターミナルが現在建設中で、すでにOPENまで秒読み状態となっている。


■リニアは人々の生活に変化を与えるか
 2010年の上海万博を控えて、交通アクセスの整備は早急に解決しなければならない課題でもあった。さらに、リニアが開通すれば、浦東国際空港におけるトランジット乗換え時間の間に、ちょっと杭州まで、ということも実現する。すでに上海浦東国際空港ではトランジットのための48時間滞在のビザが発行されている。

   産業面では、今まで上海は長江デルタ地区の中でも、蘇州・南京との結びつきが強かったが、これから浙江省エリアとの結びつきも強くなることが期待されている。杭州ではさらに、杭州湾大橋の建設により、寧波とのアクセスも改善される。金華・台州・義烏と上海との交流も盛んになるものと思われる。

 しかし、リニア開通は、長江デルタエリアにおける交通網の一端を担っているに過ぎない。現在、2020年を目標に長江デルタ地区に電車線を整備し、上海・杭州・南京を1時間から2時間以内で結ぶプロジェクトも始動している。そうなると、上海市民も週末は杭州西湖でちょっとお茶を一杯、というような娯楽の楽しみ方も可能になる。


■350億元もの建設費をどうするか?

近未来的なリニア竜陽路駅全貌 この地下に地下鉄2号線が走っている

 リニア建設には、350億元(約5000億円以上)の資金が必要だ。現在ある上海浦東国際空港から地下鉄2号線竜陽路駅を結ぶ30キロのリニア路線でも、30億人民元が投資された。今回のリニア建設コストは、1キロ当たり2億間で試算されている。また、高速道路と比較しても、リニアは用地買収が少ないなどのメリットがある。

 巨額の投資資金を集めるためにも、今回のプロジェクトに関して、民間資本の利用が構想に組み込まれている。もちろん、外資導入も考えられるが、まだリニアの技術が十分に成熟していないだけに、慎重論が強い。また、浦東新区開発に伴う、将来に向けての税収の増加も期待されている。たとえば、浦東新区が2003年に政府中央に納めた税額は2003年度の520億人民元から2005年度の980億人民元に大幅増加しているのがその例だ。将来、リニア技術の成熟にともない、リニアが国土の広い中国の国内交通の重要な柱となれば、このコストは決して高くないというようなもくろみも考えられる。

 また、杭州・嘉興の不動産を刺激することは確実だ。さらに、将来的にこれら地区から上海へ出勤するようなサラリーマンが登場することも考えられないわけでもない。しかし、現在の鉄道での上海−杭州間の料金は、約2時間で33元(硬座)、果たして1時間30分短縮されることで、人々が150元を払うか、という点も専門家の間では疑問視する声が出ているのも確かだ。

(山之内 淳  中医ドットコム


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