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TOP/連載記事/中医沙龍〜中医薬大学の教室より/(96) |
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SARSを未然に防ぐために その3 |
| 上海もすっかり涼しくなってきた。夜も日によっては窓を閉めて寝ないと風邪を引いてしまうぐらいだ。
今年の春、中国を騒がせたSARSも、実はこの気温と関係があることが、最近の研究結果で分かってきている。ここでは最近中国のマスコミでも発表された、上海市城市環境気象研究中心と復旦大学公共衛生学院が共同で研究した「気象要素がSARSの流行にもたらす影響」の研究成果を紹介する。 気温とSARSとの関係は、すでに専門家が早い段階で提起していた。特に中国本土でのSARS流行の傾向を見てみると、比較的分かりやすい。4月までは広州、香港がその流行の中心だったが、気温が暖かくなると、徐々に減少し、その後、北京・太原が大変なことになる。しかし最高気温が30℃を超えると、症例数は大きく減少した。このことに関して、上海市城市環境気象研究中心の高建国氏は分析している。即ちSARSが最も流行した時期の気温は17℃から28℃の間で、症例数の95.8%までを占めている。また平均風速が速いときも、患者数が増加している傾向があるという。また湿度も、乾燥すればしているほどSARSの患者数が増加する傾向にあることも分かってきている。一方で、香港では紫外線が強い日ほど、SARS患者は減る傾向にあったと言われているが、他の都市ではその傾向はあまり見られなかったという調査結果だ。 ただ、大きな要素となるのは、やはり人間自身の抵抗力に大きく関係が有るのも確かだ。となると、やはり気温差が大きいことは非常にSARS流行に関係がある。今回の調査では、広州、香港、北京、太原の4つの都市の気温を分析した。それによると24時間以内に5℃以上あがり、また48時間以内に最高気温が8℃以上下がったときにSARS患者が増えたことも分かった。このため、寒気による気温の変化がもたらす影響が大きいことが言える。 ではそのような状態になるのはだいたいいつ頃なのか?これらの調査によるとやはり春先が要注意ということになる。秋口も気温が17℃から28℃ぐらいになるが、春先ほど寒気が頻繁にやってくることはない。しかし前回のSARS流行の傾向から、気象関係の専門家は、北京は10月末から11月中旬、上海は11月末から12月中旬あたり、広州・香港はさらに遅れた時期に注意の必要があるととしている。 中国政府はSARSの予防にはまずインフルエンザの予防が必要という方針を打ち出し、インフルエンザの予防接種を呼びかけている。2つの病気は相関性はないものの、その症状に関しては極めて似通っている。これから中国へ滞在する予定のある人は、ぜひインフルエンザの予防接種を済ませたいところだ。 (山之内 淳)
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