|
|
TOP/連載記事/中医沙龍〜中医薬大学の教室より/(40) |
|
今年の猛暑、如何に乗り切るか? 古人たちの知恵 その1 |
|
夏が暑いのは、なにも今に限ったことではなく、古代中国でも暑さを乗り切ることは永遠のテーマでした。今でこそエアコンが普及し、暑さをしのごうと思えば、いくらでも方法があるわけですが、古代人にとってはそう簡単なことではありません。中国の伝統医学、中医学ではさまざまなやり方で夏の暑さと立ち向かってきました。中医学の五行説では、夏は「火」の属するとし、暑熱から体を守ることを いろいろと考えます。今回はその中から代表的なものをいくつかご紹介しましょう。 | ||||||
| T夏を乗り切るための基礎知識 | ||||||
| ||||||
| U「氷」だけではない生活の知恵 | ||||||
| F古代ではもちろん冷蔵庫がありませんでしたから、食べ物で体を冷やすということは今よりもずっと難しかったことは容易に想像がつきます。そこで体を補うことができて、さらに体を冷やすことができる食材を古代人は見つけたのでした。たとえば西瓜、冬瓜、黄瓜(キュウリ)、絲瓜、苦瓜などの瓜類は夏に食べるものの代表選手です。そのほかに穀物としてはアワやハトムギなどもそうですし、緑豆、豆腐、百合、セロリ、レンコン、トマト、ブタの皮、アヒルの卵、タニシ、昆布など の食品もそうです。一方で、この時期は体のなかの「火」を誘発してしまうような辛いものや羊の肉など温めるような食品は控えます。 | ||||||
|
|
| |||||
|
苦瓜 |
冬瓜 | |||||
|
| ||||||
|
西瓜 | ||||||
| 夏になると、上海あちこちで西瓜を食べる市民の姿を見かけることができます。値段が安価なだけでなく、みずみずしい西瓜は夏場にもってこいです。西瓜は紀元前3世紀ごろ、西域から中国へもたらされてきたという説が有力で、漢代の古墳に埋葬されていた遺体の内臓から、消化されなかった西瓜の種が見つかったところから、古代人も西瓜を食していたことがわかります。ただその当時はまだ広く普及してたわけではなく、まだまだごく一部の人だけが食することができたようです。 体を冷やす働きがあるところから中国南北朝の時代には「寒瓜」とも呼ばれました。当然、中医学でも西瓜は古くから用いられており、たとえば元代の名医朱丹渓の著した『丹渓心法』には口内炎の治療に使われたという記載もありますし、 後に発展した温病学でも高熱時の補助的な治療としても西瓜は用いられました。暑さを解消するだけでなく、喉の渇きを癒し、利尿作用がある果物として、今でも広く市民に愛されています。 | ||||||
| 最近、日本でもダイエットなどの効果で人気の出てきている苦瓜(ゴーヤ)は、こちら中国南方では昔から欠かすことのできない食材のひとつです。上海の市場でも福建省などから苦瓜が運ばれてきます。中医学の世界では、この苦味が大切で、体の陰と陽のバランスを整える働きがあるといわれています。とくにこの暑い季節に、苦いものを摂取すると、消化器の働きを刺激し、食欲を増進させます。また苦味は、心に関係する経絡に入ることができるため、「心」に溜まった火を排泄することができると考えます。そのため、夏にはもってこいの野菜であり、中国の本場の中華料理では、よく口にするのです。 | ||||||
| |||
|
|||
|
[BACK] | |||