一般的な治療法
2−1 先ずは問診
問診では、主要な症状について医者に伝えます。今までにどういう病気やけがをしたのかを詳しく伝える必要があります。またCTなどの検査結果もあればより的確に治療ができます。なかなか普通の通訳では翻訳が難しいときがあるので、出来たら医学などを勉強したことのある通訳がおればベストです。このとき脈と舌の様子を観察します。脈だけで病気がわかる、という医者もいるようですが、当然知る情報が多いほうが正確な診断が下せるのは中医学も同じです。
2−2そして針
ベッドに横になると、いよいよ針治療開始です。その前に、中国ではまだ使い捨て針を使う習慣が完全に定着していません。これは中国人の医療保険の問題とも関連があるのですが、使い捨ての針ではなくても、十分に針を消毒、殺菌して使っているので、基本的には問題はありません。ただ日本人には衛生的にどうしても受け入れられないので、大抵の病院では頼めば使い捨て針を用意しています。もちろん薬局などで購入して持参してもかまいません。長さは色々種類がありますが、一般には1.5寸と3寸のを使います。太さは30号ぐらいが一般的です。(写真・2 マッチと大きさを比較してみてください。)
中国の針はその刺し方に特徴があります。日本は主に「管針」といって管に針を通して刺しますが、こちらでは針を医者が手で持ってそのままダイレクトに刺します。そのため刺さる深さが若干深いのが特徴です。また針の太さも日本のと比べると格段に太いです。
針がツボにうまく当たると、痛いというより電気が走るような、なんともいえない鈍い感覚が走ります。殆どのツボでは、針を刺すとき、皮膚に当たる瞬間が少し痛く感じるかもしれませんが、それを通り過ぎると上記のような感覚になります。これを「得気」と言います。針は患部がある局部だけでなく、手足を中心に広い範囲のツボを利用します。これは基本的に経絡の循環にそって考慮します。また押さえて痛いところにも針を刺すことがあります。この場所は各個人によって色々違いますが、もちろんれっきとしたツボで「阿是穴」と呼ばれています。頭にもよく刺しますが、頭は頭蓋骨というヘルメットで覆われているので、比較的安全です。ただ頭は皮膚表面の神経や毛細血管が発達しているので、少し痛く感じるかもしれません。また針を抜いた後に出血しやすいです。頭の針治療は現代医学ではかなり研究されてる分野であり「頭皮針」といってすでに系統だった理論があります。(写真・3 腰痛を治療中の患者)
針が完全に刺さると、今度は指先をうまくつかって、針の場所を確定し、針を上下に移動させたり、回したりして、ツボに刺激を与えます。これがまた医者の腕の見せ所でもあります。患者が「得気」をしているかどうかは、一般には患者に聞かなくても、医者は針から伝わる感覚で分かるものです。医者は手ごたえとして、針が体に吸いつけられるような独特の感覚があります。
さて、針が刺し終わると、今度はさまざまな付属的な治療法を行います。針に電流を流したり、お灸に使うモグサを針にのせてみたり、すい玉を使ったり、耳のツボを刺激したり、などなどあります。詳しくは次回に紹介しましょう。
(山之内 淳)