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(街路樹の美しい上海)
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日本がクリスマスや大晦日、そして元旦と街が賑やかになる頃、 中国の大学では、ちょうど期末テストのころになります。
そんなわけで例年この頃は、ひたすら机に向かうという毎日になります。
上海でのクリスマス。デパートなどは、必死に盛り上げようとしている努力を感じますが、ここ数年の市民のムードは控え気味。喜んでいるのは外国人だけ?
一応大晦日・元旦も、街は賑やかになったような気がしますが、それでもこれから迎える春節に比べるとまだまだ。
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やっぱり中国では、と言うより多くのアジアの国では「春節」がメインなんだなぁと、つくづく感じます。
春節を上海で迎えるみなさん、どうぞ存分に堪能してください。
ところで私たちの期末テストは、通称地獄のテストウィークに行われます。
1週間でほとんどの科目の試験をしてしまうため、学生達のストレスは結構なものです。人によっては1日3科目という人もおり、何よりも体力が勝負ということになります。
で、もし体調を壊してしまうと・・・・。
そうです。今年も何人かの学生が、試験中にぶっ倒れたり、嘔吐をしたりして、隣の大学付属病院の急患室に運ばれたのでした。
そこで今回は、その中の一人の同級生のお話を書きます。
みんな、寝る時間・食事をする時間を削って勉強するわけですから、どうしても生活は不規則になります。1週間睡眠しないというのも当たり前。
そんな中、ある同級生から、夜に電話がかかってきます。
話によると、かなりの腹痛らしい。みぞおちから臍(へそ)にかけて、お腹が パンパンに張り、手で抑えることも出来ないぐらい痛いとのこと。
初めは本人も、胃が痛いのか?とぐらいしか思っていなかったのですが、 そのうち我慢できなくなり、電話をかけてきたらしいです。
とりあえず病院に行こうということで、中医学を勉強しておきながら、自分の大学の病院に行かずに、近所の西洋医学の大学病院の救急へ走ります。
やっぱり分かっていても、救急の担当医は、西洋医学というような固定概念が邪魔します。とりあえず血液検査をし、痛みの感じから急性膵(すい)炎と、
医者は疑ったようです。そこで抗生物質を点滴しますが、痛みは一向に治まりません。そのうち膵臓の検査結果も出ますが、異常無しということに。
腸閉塞も疑い、X線を撮りますが、これも異常なし。痛みは治まらないまま、観察ということで、その日は帰宅します。
何もしないのも仕方がないので、友達と相談して鍼灸を試してみることに。
習ったばかりのツボに針とお灸をしたところ、何となく本人の痛みは、幾分軽くなったとか。そうなんです。お馴染みの腰痛や肩凝り以外にも、内科の腹痛、虫垂炎、胃、胸
などの痛みに、針はそれなりの効果を発揮します。
『失神した時は、鼻の下の「人中穴」』と言われるように、昔の人達はいざという時には、針や灸を使いました。
とは言え、一時的なものなので、痛みは完全に治まらず、翌日もう一度、今度は中医薬大学の病院に行きます。 たまたま外科の主任教授に診てもらうことができ、その結果、急性虫垂炎ではないかと診断され、すぐに手術を勧められました。しかし本人からすれば手術は避けたいところ。また虫垂炎と確定できない段階ではなおさらす。
そこで抗生物質を再び点滴し、痛みを散らす治療をします。また平行して主任が生薬の配合をします。その後、痛みが幾分おさまった状態で再び観察となりました。
3日目は友達の紹介で、今度は中医薬大学の90歳になる老中医に診てもらうことになりました。この先生は90歳という御高齢でありながら、血色の非常に良い、はつらつとなさっている方でした。
先生は、おもむろに脈をとりながら、状況を一通り聞いたところ、1つの西洋医学 の薬を加えないで、生薬だけの処方を読み上げます。 それを若い学生達が処方箋に書いてきます。それが以下です。
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生大黄
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枳実
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川朴
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※芒硝
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桃仁
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10g
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15g
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6g
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6g
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15g
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※水に溶かして2回に分けて飲む
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丹皮
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生苡仁
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紅藤
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生甘草
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敗醤草
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10g
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20g
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30g¥
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10g
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30g
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| 注意:1日だけ服用
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実はこれらの薬は、中医学を勉強している者にとっては、非常にお馴染みの処方で、端で見ている我々は、目が覚めた思いがしました。
そうなんです。東漢の時代の張仲景がまとめた医学書《金匱要略》に書かれた処方を応用なさっていたのでした。まだ中医学を勉強して間のない私達にとって、こういう処方を使うのは非常に勇気が入ります。
何故か?これは後ほど書くことにしてます。
この本の「腸癰」の項に書かれている処方は、みぞおちの辺りが張って痛い、抑えても痛い、少し発熱があって、舌の苔が厚くて黄色でネバネバしているような人に使います。
中医学でもって病気を診る時、我々は病人の症状によって処方を組み立てて行きます。実はこの処方が、虫垂炎など腹部の急性の炎症にも効くというような結果は、後世の医学者が発見したわけで、その当時はある種の腹痛という分類しかなされていないわけです。
現代では薬理学の発展もあり、ある種の虫垂炎の初期の症状のうち、手術をしない治療法の一つとして、中国では広く応用されています。
中薬を使って虫垂炎を治すなんて、日本ではそう考えられません。
さてそれ以外にも、邪気によって熱せられた血を冷やす丹皮、血の流れを良くする紅藤、体の毒をとる敗醤草など、この処方には数々の工夫を凝らした組み合わせが取り揃えられております。
さて、薬を持って帰って、早速煎じます。(中薬の煎じ方は<こちら>をご覧下さい)
半分ほど服用して、しばらくすると強烈な腹痛が襲ってきます。
そうなんです。この処方には、大黄などの今の下剤に相当する生薬が入っているのです。あまりにもパワーが強いため、今の若い医者は処方したがりません。
しかし中医学では、嘔吐を促す方法と共に、大便を促す方法は、体の熱や邪気を追い出す上で、非常に大切な役目を果たします。もちろん体の正気が充実している、つまり体自体がしっかりしている事が前提ですが。
元々便秘気味だった私の同級生、ここから強烈な下痢が始まります。
もちろんこれは、初めから承知していた事なのですが、いままで習慣性便秘で大変だったのが嘘のようで、始めは5分に1回ぐらいの割合で、その後は30分に1回ぐらいの割合でトイレに駆け込みます。1回しか薬を飲んでいないのに本当に強烈です。そのため、医者も1回分しか処方しません。
しかしどうでしょう。
翌朝にはあれほど痛かった腹痛が見事に治ってしまいました。
中医学では「不通即痛」と言います。腸と言い、胃と言い「五臓六腑」のうち 「腑」に属するものはパイプの役目を果たします。このパイプは、いつも流れている状態を常とします。もし流れが止まるような事があれば、それはまず痛みとして表現されます。
便秘気味の方は是非、中医学の診療所の門を叩いて見て下さい。このように強制的に出す場合だけでなく、中医学ではマイルドなやり方からハードなやり方まで、便秘を解決するために、非常に多くの方法を持っています。
また中薬は、西洋医学の薬と比べると非常に安価です。今回、同級生が西洋医学の薬・抗生物質などで費やしたお金は、1000元近くにまでなりました。しかし中薬で使ったのは、わずか10元もしません!
ちなみにこの同級生、その後2回ほどこの老中医のところに通い、適宜薬を処方 してもらい、今は元気にやっています。しかしこの腹痛、西洋医学では一体何が原因だったのか、まだ分かっていません・・・。
(山之内 淳)
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