| 中医沙龍〜中医薬大学の教室より〜 |
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上海でも喘息やアレルギー性鼻炎が増える傾向にあることが衛生局の最近の調査でも明らかになってきています。食物添加物や大気汚染が原因であることは指摘されていました。中医内科の呼吸器科にいると、その患者の数には相変わらず驚かされます。それはなんといっても西洋医学の薬を使わずに中医薬だけでもって発作を抑える治療しているところに理由があります。中医学では発作時よりも、平常時におけるからだの「調理」つまり健康のバランスを保つことを重視します。薬は完全に医師の処方による煎じ薬が中心です。もちろん即効はなかなか期待できませんが、継続して服用することによって、ここ数年発作が起こらないという喘息患者は少なくありません。
そこで今回は中医学における肺について取り上げます。
呼吸については西洋医学でも中医学でも肺の大切な働きです。古代中国人はCO2のことまでは言わなくても、体内の淀んだ空気と外の空気を交換するということに気がついていました。空気を取り込むことを粛降、空気を発散することを宣発と言います。この働きは非常に大切で、もし体が弱っていたりすると、呼吸だけでなく体全体の水分の流れにも影響をもたらします。この気の上下運動が体の全体の循環に欠かせないからです。例えばここに寒邪が入ってくると気が肺の中で滞り、発散することを妨げます。そうすると咳になるわけです。 最後に肺に使われる代表的生薬を少しご紹介しましょう。たとえば中華料理でおなじみ杏仁は咳止めだけでなくお通じをよくする働きもあります。ただし毒があるので扱いに注意が必要です。また日本では紫蘇(しそ)として知られていますが、この種も同じような働きがあります。枇杷の葉っぱは咳止めのほかにも嘔吐やしゃっくりを止める働きがあります。おなじみ冬虫夏草は高価な薬ですが、肺や腎の働きを強める代表的な生薬です。 では次回は視点をすこし変えまして、日本人におなじみの漢方薬、葛根湯(かっこんとう)についてご紹介します。
(山之内 淳)
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